今回の案件は、前回と同じアーティストさんの再発注でした。作家さんによってコンペ曲へのアプローチの仕方は様々だと思いますが、私はアーティスト情報や発注時に記載があるコメントや参考楽曲などはわりと入念にチェックする方だと思っています。(おそらく。)アニメのタイアップがある時は、当然そのアニメの原作もチェックします。その原作が面白くてつい読みこんでしまい、本題の楽曲制作になかなか手がつけられず、という本末転倒なこともままあったり。
ですので、前回と同じアーティストさん、ということは、参考楽曲やコメントに追加の部分があるにせよ、ある程度はすでに調べがついている状態でのスタート、となるわけです。加えて、今回2曲の参考楽曲が共有されていたのですが、まずこの2曲のコード進行をコピーします。すると面白いことを発見しました。この2曲のキーとコード進行の流れがほぼ一緒だったのです。
アーティストさん本人の意向なのか、マネジメントされている方の意向なのか、そこはわかりませんが、少なくともこのキー(ちなみにDでした)とコード感から来るメロディーのテイストが好きなんだろうな、というある程度の予測を立てることができました。(あくまで予測です。実際は全く的外れだったかもしれません。。)
アプローチが決まってからの期間としては、約一週間ほどの猶予があったと思います。当初の私の心の中の動きとしては、「よし!」と思っていました。時間もなんとか大丈夫そうだ、アーティストさんのこともすでに調べがついている、あとは作るだけ。
と思っていたのですが、いざ制作に入ると、やはりメロディーで難航。結局、締め切り時間ギリギリまでかかりました。
特に最終日の追い込みはなかなかのものがありましたが、下調べがなければもっと時間がかかっていたかもしれない、とも感じます。そもそも、提出できるレベルまでもっていけなかったかもしれません。また仮歌を歌っていただいている女性の方にも無理を言ってしまいましたが、文句ひとつ言わずしっかり歌っていただけました。アレンジも、だいぶ時間がない中でしたが、事前の下調べである程度こうしよう、という方向性は決めていたので、なんとか時間内に終わらせることができました。
本筋の曲作りの話ではないのですが、こうした事前の下調べや、仮歌の方との信頼関係などがとても大切だと改めて感じました。これからも意識していきたいと思います。