第01条 度胸と覚悟と少しの勇気
2019年04月4日
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制作感想
作曲
人に合わせることの難しさ
事務所から情報を頂いて、他者のニーズに即した曲を制作するということに初めて取り組んだ。ほぼ完成品レベルの曲を仮歌含めて1週間で作るというのは正直かなり過酷で、睡眠時間を削りまくって制作を進めた。その中でも、初稿を送った際に、「シンコペが多すぎる」という指摘を受けたことはすごく学べた部分が大きかったように思う。それが良いのか悪いのかはよくわからないが、楽曲コンペだと一般の人の覚えやすさ、歌い手の歌いやすさのためにも、狭い音域でわかりやすいメロディを作ることが求められるのだと感じたのは大きな収穫であった。 しかし、もっとも苦労したのは「良い曲を作ること」以上に、事務所側との感覚のすり合わせの...
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制作感想
作曲
今まで、そしてこれから
今回参加させていただいた案件は、女性シンガーソングライターのドラマ主題歌でした。 ドラマの主題歌は今の私にはまだ敷居が高い…でもこの雰囲気…これまでの私の作風に近いかも!やれるかも…やろう!その思いで参加を決めましたが、最初の直感通り高い山でした。 詳しい作品名などは未発表でしたが、依頼内容からイメージを膨らませて、イントロ-Aメロ-Bメロを比較的スムーズに作りました。 「サビはスケールが大きすぎないように」とのことでしたので、最初は加減しながらメロディーを選んで…。 メロチェック、、サビが弱い。 自分の力量では思いっきりやっても丁度ぐらいになるのかも、今度こそは!と、又何度もあ...
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制作感想
作曲
コライトチャレンジ(リモート編)
これまでのコライト感想集 https://music-comments.com/impression/composition/3811/ https://music-comments.com/impression/3752/ https://music-comments.com/impression/2722/ https://music-comments.com/impression/2465/ コライトについてはこれまでもメリットデメリットを述べてきましたが、ご時世的にも、あまり人と密になって作業するのも避けたほうが良いので、今回はリモートで作業を進めることにしました。基本は...
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制作感想
作曲
夢と現実の狭間で
今回参加させていただいた案件は、「ファンと一緒に歌える楽曲」とのことでした。今思えば、絶対に何が何でもコレを書きたい!その気持ちだけでから回りしてしまったように思います。 遡ること…6歳の時に作曲らしきことを始めました。その後自分が歌うためだけに作詞作曲演奏するスタイルで活動もしましたが、この春頃から職業作曲家に興味を持ちました。無謀とも気付かないままに。がしかし、扉が開いた瞬間、私にとって只事ではないレベルなのは充分に理解できました。そしてド新人の私の目の前に、たまたま現れた夢のような案件。5日間もがいて夢見て、儚く散っていきました。今まで努力した分以上には実らない現実を思い知った瞬間...
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制作感想
編曲
作詞
作曲
即対応できるようにする
何度目かになる舞台用の一部劇伴を一任いただき、制作が始まりました。 今回とても嬉しかったのが、メイン曲の参考曲イメージが、以前自分が作った楽曲だった事です。大物作家さんになるとこれが逆にプレッシャーになると聞きますが、自分にはまだその経験がなかったのでとても力になりました。あと、またしても得意分野で攻められるのでラッキーでした。笑 舞台歌唱用の楽曲となると、色々なキャストさんや男女の歌い分けなど、音域の設定を注意しつつキャッチーな曲に仕上げるのが毎度の課題になり大変なのですが、それよりも、舞台のストーリーを彩るために多種多様なジャンルの曲を作れる、という嬉しさの方が勝り、元々自分がいろ...
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制作感想
作曲
ロック=歪んだギター?
「ロック」というジャンルを希望される依頼がある。 私は高校からエレキギターを弾き始め、約30年間弾き続けている。エレキギターがロックに直結するわけではないが、ロックというジャンルとは何か?をなんとなくは理解しているつもり。 しかし、「ロック」と依頼されて自ら制作した楽曲は、これはロックなのか?思う事がある。 何故なら、ジャパニーズメロディに支配された楽曲になるからだ。アイドルやアニメ向けに制作する楽曲にはポップなメロディが必要だ。ここでいうポップとは、流れるような綺麗なメロディという事だけに決してとらわれないが、一部のコアなリスナー向けではなく、より多くのリスナーの心を掴むような大衆...
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制作感想
作曲
忙しい中でのクオリティ維持
今回はゲーム収録楽曲の案件で、バンドの方向性はスカロック。自分の世代的にスカバンドは流行っていたので、曲の感覚は体に入っている分、取り掛かるのに腰は重くなかったです。 普段は下調べや準備などでまとまった時間が必要なので、最初の一歩のハードルが高かったりしますが、その時間が必要無い分すぐに組み立てに入ることができました。ただ、今回に関してはバンドにとって変わり種曲で、クラシック曲のモチーフを入れるという指定があり、自分の中の作曲の定型文に当てはめて制作できないので、ここで躓く事になりました。さらに、普段並行しているギタリストの仕事で、RECやツアーのリハーサルががっつり入っていたので、締め...
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制作感想
作曲
発注の本質
今回制作する際に、依頼の内容は邦楽の有名なファンタジー系バンドの雰囲気がありつつ、戦うイメージも兼ねたコンセプトがありました。しかし、その参考曲の雰囲気を残しながらバトルの雰囲気を少しつけるというのは、未知の挑戦にしてかなり難題なものでした。チェックを通してどうしても明るくなりすぎてしまったりと、発注の本質を汲み取るということができなかった依頼でした。なんとかそれ相応なものはできましたが、最初の提出が遅れた影響もあり、ギリギリな作業になってしまい、今回の制作は苦痛が続く戦いでもありました。 結果としては決勝までは行ったものの最後に敗れてしまいました。提出の条件はシンセメロでも問題はありま...
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制作感想
作曲
結局は「案件に寄せる力」なのか?
ここまでいくつか案件に参加した中で、とにかく案件に合わせることの必要性を強く痛感していたことから、自分の感性とうまく噛み合わないことに悩んでいました。 そんな中で今回の案件は、大サビ不要の90秒で締切が長く、曲調が得意な「切ない」系だったこともあり、多少気楽に作れるかな、と思い参加したような雰囲気でした。しかし、これもまた案件の求める「切なさ」と自分の好む「切なさ」がズレていたことに気づき、作業は難航を極めました。 自分にとっての「切なさ」とは、add9や順次進行で作る、淡くどこかスカッとするようなイメージでした。しかし、今回の案件の過去の採用曲やリファレンスを聴くと、明らかにそう...
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制作感想
作曲
ネガティブキャンペーン
コンペに提出する際は、楽曲そのもののクオリティーは勿論ですが、エンジニアとしての技術や知識もある程度必要になります。その壁は想像以上に分厚く、突破できなければ「やっていけない」と断言しても過言では無いでしょう。サウンドがまとまらないことには提出すらできない。やっと提出に漕ぎ着けても、少しでも「?」と思われてしまえば、結果として評価されない自身のネガティブキャンペーンになってしまいます。 上記は一例ですが、こういった恐怖と隣り合わせで戦い続けることが作家活動の1stステージなのだと思います。けれど、そこで屈してしまえばそれでおしまい。あなたの代わりはどこにでも居ます。そういう世界です。誰に...
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制作感想
作曲
無難返上!
今回参加させていただいた案件は、女性アイドルグループのシングル曲でした。このグループへの参加は2回目だったので、既成曲やイメージはしっかりと頭に入っていましたが、前回が初提出だったこともあり、まぐれではなくちゃんとコツを掴めているのか不安もありました。前回の制作で見つけた得意分野でのアプローチにしつつ、また違った雰囲気で作ることにしました。 1回目のメロチェックの際、「特に問題もないけど無難すぎる」とのこと。この時点で、まだAメロ、Bメロ、サビまでしかできていなかったので、どうにか大サビと3サビで工夫しようと思いました。そして2回目のメロチェック。出来栄えは「60点。整ってはいるけどつま...
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制作感想
作曲
ど真ん中に振り切って投げてみた
「アーティストの下調べは最も大事」ということは僕の記事や多くのクリエイターさんが述べていると思いますが、結局提供先のアーティストさんと距離がどれだけ近いか、が重要だと思います。 今回プレゼンさせていただいたアーティストさんは、ご本人の芸歴自体も長いですが、僕としても数年取り組ませていただいていました。しかし、これまで全く自分の曲は響かなかったようで、形になった曲は1曲もありません。ただ、普段からそのアーティストさんの楽曲は聴いているし、近年のアーティストポジション的なものもチェックしているので、いざ発注がくると自然とスムーズに取り掛かることは可能でした。笑 発注内容も、今後長く使えそう...
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制作感想
作曲
まとまりとエネルギーの両立
今回参加させていただいた案件は、女性シンガーソングライターのアルバム曲でした。このアーティストさんは昔から好きだったので、以前から参加してみたいと思っていました。最近は制作スピードも少し上がってきたこともあり、参加を決めました。 既存曲はほとんど聴いていて、世界観も把握していたからなのか、初めてメロチェックを1発合格することができました。しかし、これからの課題が見えてきました。それは、無難にまとまりすぎているということ。コンペに参加し出した頃は、シンコペーションが多すぎたり、鼻歌のようなメロディーになってしまっていたりと、まとまったメロディを作るのが課題だったのですが、そこはクリアできる...
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制作感想
作曲
制作スタイル、発見!?
最近はメロディに悩んでいたというか、今ひとつ自分でも納得のいくメロディが出来ずにいた矢先に病気になり、3週間ほど病院のベッドや自宅で療養していました。そこで、いくつかの本を読みちょっと面白い記事があったので、それを試してみようと思っていました。1週間ほど先の締め切りの案件がいくつか重なっているので、どれかに参加してほしいと大友さんから連絡があり、参加の意志を伝えるとともにその方法で早速制作してみようと思い制作に入りました。 まずは原点回帰 メロディは、最近キーボードをいじくって制作していましたが、自分の音楽生活の始まりとなったギターに戻ってそこから適当に弾きながら断片を制作しました。 ...
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制作感想
インスト
先手必勝のつもりが空振り!?
9月は作業や提出に対してテーマを決めていて、「とにかく早く出す」という事でした。以前は締め切りギリギリまで粘ってちょっと過ぎる、みたいな感じでしたが(笑) どのみち、ギリギリまで粘ったとしてもその時間で期待以上の成果が出るわけではないので、いっその事一番乗りで締め切り前に提出して先方に決めてもらおうという、ちょっとズルい作戦に出ました。今回は、週半ばの発注で、締め切り自体は日曜だったのですが、できれば週末には試聴されたいとの事だったので、「よし、一晩で上げてやろう!」と息荒げに作業を開始しました。 内容的にも、僕が得意なクラシックギターのソロパートを挿入するとの事で、マイクセッティ...
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制作感想
作曲
作り込んでいるが故の・・・試行錯誤!?
コンペの発注の時点で、締め切りが3、4日しかないことは良くあるのですが、更にそういう時こそクオリティの高さが必要だったりします。そんな時は、如何にしてベストを尽くすかを工夫するのですが、今回は丁度ストックで合いそうな曲があったので、発注内容に沿ってリメイクすることにしました。 元々はしっかりと詰めていた曲なので、すぐに完成するかと思いきや、思いもよらない壁にぶち当たりました。かなり歌謡テイストの曲ながら、テンポを速くしてイマドキのアニソン調に仕上げていたのですが、提供先の方の雰囲気を考えるとあまりそぐわないので、とりあえずテンポを落としてみました。 すると当たり前ですが普通の古臭い...
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制作感想
インスト
コライトチャレンジ(失敗編)
他のクリエイターやアーティストと共作した際の記事はシリーズ化していますが、今回は失敗例を紹介します。前回までの記事は以下です。 コライトチャレンジ(Rap編) https://music-comments.com/impression/2465/ コライトチャレンジ(ドロップ、オケサビ編) https://music-comments.com/impression/2722/ コライトのメリットと言いますと、やはり自分にはないアイディアやテクニックが手に入るという事が大きく、人と一緒に制作する事により常にお互いの意見を出しながら進められるので、一人で悩んでいるよりはるかに早く...
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制作感想
作曲
全ての事象を精一杯+で考える
今回の案件は、新人アイドルグループの表題曲。今後の代表曲たりうる曲。これはメロディの強さ、説得力がめちゃくちゃ重要な要素であることは火を見るより明らか。前の案件はメロ力不足で提出にならなかった身として、これ以上打ってつけの題材はない!・・・という事で、即座に参加表明。 メロチェックの指摘は「悪くはないけど、無難」。ん~、やっぱりダメか~。そして「一旦預けてみるから、提出前の状態まで作りこんでみればどうか」という提案をいただきました。 何というか、これって「無難な線でまとまりきってしまっているので、どこをどう直せばという状況になく、このまま仕上げてもこの水準を越えられないだろう」とい...
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制作感想
インスト
隙間産業のつもりがすり抜けて行ってしまった例
男性アイドルグループの、ライブ中の一部分で使用される楽曲のプレゼンの時のお話です。今回のようなインスト案件の際は、色々な都合で(割愛)、デモ+本アレンジという段階を踏まずに、いきなり完パケ前提で制作します。 僕は普段から、デモの段階で本アレンジもそのまま使えるくらいの意気込み(あくまで意気込みですw)で制作していますが、流石に1音1音まで何時間もかけて精査することはありません(その分メロディや歌詞に時間を割きたいからです。) ただ、プレゼンやコンペとしては手順は同じなので、最初から詰めながら作ることは、制作カロリーとしては結構重いです。まだまだ編曲力が強くない僕ですから、他の作家さんに...
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制作感想
作曲
リメイク?アップグレード?
締め切りが短い時や発注内容に添う場合は、ストック曲での提出で対応する事も多いのですが、いかんせん1、2年くらい経ったストックの場合は・・・ 「あぁ、、、この部分もっとこうしたいな」 「ここのサウンドこっちの方が今っぽいな」 「いやこれキック埋もれ過ぎじゃねw」 とか、色々今の成長を感じる(という事にしておく)ので、時間がある限りリメイクすることが多いです。工事の余地が多すぎる場合は、諦めてデッドストックになっちゃう場合もありますが、普段からのメロチェックのお陰かそうなる曲は比較的少なく「丹精こめて作った曲なんだ、もっと良くしてあげよう!」と思えるのは嬉しいです。今回は男曲→女曲...
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制作感想
「時間」と「環境」で勝ちに行く
最近流行り(?)のグループで、メンバー紹介ソングの制作にチャレンジしました。 特に、歌詞の内容やメロディの構成はそのグループのためだけに作るので、不採用の場合、他の案件にリメイクなどがしづらくリスクが高いのですが、逆にやるとなったら採用とるつもりでしっかり展開と構成、内容の辻褄を合わせたりグループの情報を徹底的に調べて取り組みました。 実は、よくある自己紹介ソング系はループのビートに適当に一人づつラップとかで紹介して行くものが多くて、メンバーの人数も多いと個人的に正直ダラダラして曲として聴いてられないな・・・ってものが結構多い気がしていたので、そこを打開するためにメンバー毎の特色の差異...
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制作感想
作曲
普段からの人間関係が結果に繋がる
今回の制作はK-POPグループのメンバーが主演の舞台で、キャストが歌唱する楽曲と劇伴の一部の制作でした。曲数は8曲ですが、発注の時点で納期まで2週間を切っている状態でしたので、かなり急な案件なのと、諸々の都合上で作詞、作曲、編曲を全て一人でこなすということで追い詰められましたが、ピンチに燃える性質がある分、何としてでもやってのけようという気持ちで取り掛かりました。ギタリストの仕事もちょうど落ち着いていた分、スケジュールの工面もやりやすかったのでラッキーでした。 楽曲ジャンルは、洋楽に寄せつつメロはしっかりする、所謂K-POPなアプローチの曲が中心で、その他、各シーンに合わせたミュージカル...
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