表題感、c/w感 | クリエイターの悶絶生活編集部

表題感、c/w感

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歌手イメージ :
/ 男性アイドルグループ
制作ジャンル :
/ バラード
発売条件 :
/ シングル表題曲
工程 :
/ 作詞について

今回の案件は、「元々のデモに入っている歌詞を一部そのまま使用して欲しい」という発注だった。しかもそれがA・B・サビ頭と、全てのパートに少しずつ入っているという鬼畜っぷり。つまり、書ける方向性が必然的に限定されていた。
その決められたパートを使いつつ、世界観をもっとブラッシュアップするにはどうすべきだろうと考えた結果、少ない言葉数でもしっかりとストーリーを展開できるよう、モチーフ自体に時間軸の流れを感じられるものをテーマにしようと思った。そこで、今回は一本の映画をモチーフに選んだのだが、結果的にかなり納得のいく仕上がりになった。自分でも、「これはかなり良い詞だ」と思った。笑

しかし、提出後に担当者から言われたのは、「作品としてはよく出来ているけど、映画モノのタイアップが付いているわけではないので、映画をモチーフにすることにあまり必然性を感じない」ということだった。正直1ミリも納得いかなかったし、言われた直後は「これでダメならもう書けない」と本気で思っていた。それぐらいに自信があった。ただ、暫くして冷静になってからもう一度考えてみると、担当者が言っていることが何となく分かるような気がしてきた。確かに限定的すぎるモチーフを描くと、何というか楽曲がこじんまりするというか表題感があまり出ないなと気づいたのだ。c/wであれば恐らくこれでOKだったと思う。今回はアーティストの規模的にも、もっと広い範囲に届く普遍的な情景を描くべきなのかもしれないと感じ、一から全部書き直した。
タイアップがある場合はまた別だが、それが表題かc/wか、それぞれが担うべき雰囲気をしっかりと捉えたテーマ設定をしなければ、どんなに詞として優れていても意味がないということを学んだ。

アドバイスはコレだ!

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Soflan Daichi

さりげなく良いフレーズで歌い手心をくすぐり、言葉遊びやパーティー感も対応可能な質実剛健の作詞家

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