クリエイターの悶絶生活編集部

「ありきたり」な曲は求められていない

Portrait of an attractive woman in a chair at table with a laptop, book, notebook on it, hands at her temples. Concept photo

年末までにもう1曲くらい参加しておこうかな、というところで、得意な「甘酸っぱい青春恋愛系ポップソング」の案件が舞い込んできました。締切が短めで、スケジュール的にもだいぶ厳しかったのですが、かなり自信のあるサビが降ってきてしまい、「これでダメなら他は無理でしょう!」と思い、参加を表明しました。タイアップになっていた漫画も非常に面白く、自分の世界観に合った曲を書けそうな様子で、ほぼ1日でメロチェックまで持っていくことができました。

しかし、事務所の評価は「歌詞も弱く、メロもサビがありきたりでこれでは勝てない。一応ストライクゾーンには入っているので提出するかは任せる。」みたいなもので、正直かなり微妙な気持ちになりました。というのも、今回は提出云々以上に自分の中で裏テーマを持って案件に参加していたからです。最近、事務所から採用になった曲をいくつか聴いていて、傾向を研究していました。段々案件への合わせ方自体は掴んできたものの、なんとか事務所にも評価をいただきながらも自分の「グッとくる」ポイントとも合致するような作り方ができるようにならないと、今後も続けていくことは難しいという気持ちが強くありました。今回浮かんだサビはまさに「自分の好きなポイントを押さえつつ、かつわかりやすいモチーフで作られたもの」であったのですが、それが逆に「ありきたり」と言われてしまうとは少し予想していませんでした。

曲としてはとても好きなものができたので、この結果を経て一晩考えましたが、今回は提出を見合わせました。確かにコンペの形式で多数の中から選ぶ以上、単に良い曲なだけではダメで、何かしら新しい要素を取り入れることは避けられないというのも一理ある気がしました。しかも「そのアーティストにとって新しい」と「楽曲のアイデアとして新しい」の二義的に求められるのでしょう。これこそが、普段からよく言われる「曲の強さ」の一端であるのだろうと思います。

アドバイスはコレだ!