クリエイターの悶絶生活編集部

正攻法か変化球か

Young woman with guitar recording a song in the studio

今回の発注は、「あまり曲調には寄せないで書いてほしい」というオーダーだった。最初にデモを聴いた時、確かに全く作品の世界観には寄り添っていない曲だなと感じたし、正直「無理あるだろそれ」とも思った。この手のオーダーの時は、「この曲にこの詞である必然性」をいつも以上にしっかりと描けなければ採用されないと思う。なので、キャラクターのセリフや性格等、詞になりそうなものを片っ端からメモしながら、丸一日かけてアニメを全話視聴した。結果的に、制作時間の約9割を下調べのみに使うことになってしまった。

元々の「曲が作品の世界観から少しはみ出している」という特性を、逆に活かした方が曲として魅力的になると思ったので、今回は真正面からではなく、かなりぶっ飛んだ着眼点で攻めることにした。先ほどのメモを見ながら、この曲に合いそうなキャラクターの一面やエピソードがないかを色々と考えた結果、今回は普段あまり詞にはなり得ないようなテーマと書き方を選ぶことにした。自分的にもかなり変化球だと思ったが、それが意外と曲の雰囲気と展開にばっちりハマった。
正攻法で100点を取るか、少し賭けだが120点を狙うかは、いつも与えられた時間と相談しながら変えているのだが、今回はオーダーの雰囲気的にも後者が求められていたと思うので、これで正解だったと思う。

アドバイスはコレだ!