クリエイターの悶絶生活編集部

人に合わせることの難しさ

Pensive lonely woman looking down, drowned in thoughts and emotions.

事務所から情報を頂いて、他者のニーズに即した曲を制作するということに初めて取り組んだ。ほぼ完成品レベルの曲を仮歌含めて1週間で作るというのは正直かなり過酷で、睡眠時間を削りまくって制作を進めた。その中でも、初稿を送った際に、「シンコペが多すぎる」という指摘を受けたことはすごく学べた部分が大きかったように思う。それが良いのか悪いのかはよくわからないが、楽曲コンペだと一般の人の覚えやすさ、歌い手の歌いやすさのためにも、狭い音域でわかりやすいメロディを作ることが求められるのだと感じたのは大きな収穫であった。

しかし、もっとも苦労したのは「良い曲を作ること」以上に、事務所側との感覚のすり合わせの部分であった。事務所側にとっての「当然の前提」が、自分にとっては全く当然でないため、「いやそんなこと言われても」と何度思ったかわからない。家にいる時間はぎりぎりまで作業をしているため、出先でメッセージを送ることが多かったため、スカイプでのやり取りやデータの送受信等の事務的な面で指摘を受けることが非常に多く、むしろその面で制作以上に苦労した印象だった。

特に仮歌依頼については非常に困惑した。今回はクラウドソーシングサイトで雰囲気の合いそうな歌い手を探したが、1日でお願いするだけでも特急料金扱いになってしまう他、あまりに細かく歌に指示を出すと「対応できない」と言われ、関係性が難しくなりやすいことも知っていたため、事務所の求めるようなやり取りはなかなか困難であった。
最終的には納得のいく作品にはなったように思うが、総じて、他者の意向を尊重しつつ良いものを作成する難しさを感じた初案件であった。

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