クリエイターの悶絶生活編集部

1音符の大切さ

Midi keyboard and laptop - the process of recording sound and music. Duotone effect - orange and purple colors

今回はアニメのED主題歌の案件でした。同時に、歌手が女性声優アーティストさんのシングル曲ということもあり、両方向からの希望に添えるような楽曲にする必要があり、そこに向けて制作と向き合いました。

楽曲を作る際は、参考楽曲や求められている曲の方向性、歌詞のイメージを自分の中に落とし込むための作業に、なるべく時間を取ろうと心がけています。自分が歌い手さん、もしくはマネジメントされている方の立場ならどういう曲を作ってほしい、と思うだろうか?そんなことを考えます。

今回も参考楽曲、アニメの詳細、アーティストさん情報はチェックし、制作に取り掛かりました。とは言え、イメージは持つもののやはり簡単には進まず、特にメロディに関しては自分が良しとするものと求められるもの、というものとの間に差異が発生するケースが多いです。今回も何度かのメロチェックのやりとりをしたのですが、メロディ制作に関して社長からよく言われることがあります。「メロディのすべての音、1音符まで責任を持つ。」
今回のメロディ制作の際、その言葉が自分の中でドスッと落ちてくる部分がありました。
いつもであれば、コードの流れに合わせてそれとなく打ち込むメロディを、もう一度じっくり聴き返し、1音1音別の音を試していきました。結果、「あ、こういうメロディができるんだな」と感じる瞬間がありました。
おそらく自分以外絶対分からないような細かなことだと思うのですが、個人的にはこういう発見や瞬間がかけがえのない楽しみや喜びだったりもします。

アーティストさんの魅力をより発揮するために、自分の作るメロディで背中を押せるよう、そんなメロディを追求していきたいな、と改めて感じる瞬間でした。しかし、メロディ(メロだけでなく歌詞もアレンジもそうですが・・・)が思い通りに出てこなかったり、なんか違う、という時間が続く時は本当に苦しい。でもきっとこの作業の繰り返しなのかな、と。前回よりも今回、今回よりも次回、というようにこれからも更にいいメロディが作れるよう、また音と向き合っていきたいと思います。

アドバイスはコレだ!