番外編「コンペというルール」 | クリエイターの悶絶生活編集部

第11条 番外編「コンペというルール」の画像

プロとして活動していても、稀に感情的の様な採用基準を疑う事があります。真面目に取り組んでいるからこそ、時に理不尽に感じる事や振り回される事もありますが、基本的にはそれも社会のルールとして受け入れるしかありません。先方も断腸の思いで何かの理由を優先した可能性があるので、こちらの正義感をアピールした所で仕方がないケースもあり、事情を把握しながらも相手の立場も理解した上で「効率の良い立ち回り方」が作家に必要な資質になります。

01

採用は主観的!?

採用作品を決めるのは、あくまで発注した側の最終責任者(複数の時もアリ)で決定されます。それは時に「いい作品」でもなく「売れる作品」でもなく、「アーティストに必要」でもなく、「タイアップの都合」でもなく、個人的な主観のみで作品が決定される事だってあり得ます。作家にとっては、打ち所が悪いと理解に苦しみ結果も受け入れがたく、心の整理もつかなくなってしまうことでしょう。信念があって活動していれば尚更です。しかしながら、どんなに作品に自信があったとしても、責任取れる人、もしくは資本を出す人が作品を決めていいのです。その結果は、受け入れるしかありません。

02

案件消滅という事故!?

楽曲提出した後で、集約した楽曲がイマイチだったらアーティスト自身がタイアップをとり逃すことだって稀にあります。もしくは、アーティスト単位で競っている場合や、メーカー数社でタイアップを争っていることだってあります。提案力不足により、アーティストを支えきれなかった場合は、事情が変更しても仕方ないかと思います。CMのプレゼンだって、各広告代理店がそれぞれお金かけた資料を作っても採用されなかったら無駄になります。資本主義のエンタメ業界でヒットを出すには、大なり小なり、立場によっても様々な影の部分(=敗者)が存在します。作品が無駄になったと誰かに責任を問うよりも、事務所と作家はどんな時も運命共同体として、そのストックを形にする為に最善を尽くすというのが自然な姿だと思います。産んだのは作家さんでそれは資産であり、枠組みとしては元々コンペなんですから、案件がなくなってもコンペに落ちても、その資産を活かすことでしか報われません。

03

出来レースという事故!?

例えば、有名アイドルグループが著名なアーティスト系に楽曲依頼する前に発注を受けたことがありますが、なかなか楽曲的に突き抜けることができず結局アーティストに発注されました。また、女性アイドルグルーブの依頼が一般的な内容だったのに、ある作家にはかなり密度の濃い依頼が行っていたことがあったとしても、それは理不尽とか不義理とか、悲観することでもありません。
作家仕事にて、結局コンペで提案力のある方は、そのプロデューサーが信用する戦友として徐々に評価され、身内として支える作家になるのは往々にしてあります。作家のエリートとして、そこまで登り詰めた作家とも戦うのが「コンペ」には含まれていると思います。依頼した後に、プロデューサーが非常に良いアイディアを思いついた場合は、それが対応可能な別の人に依頼する事だってあり得ると思います。それらも、コンペという広義に含まれると思います。状況によっては、義理人情よりも作品を決定することを最優先されても、仕方ないのです。

04

作品力という曖昧な基準!?

長く活動していると、明らかに提出した作品より劣化しているものが採用されていると気付く時があります。全体的に作品力があったとしても、ちょっとした設定ミスの様な、例えば歌詞に出てきたアイテムが合わなかったり、「あたし」と表現すると違和感ある歌手だったり、何か些細な理由でもその僅差で作品で不採用になる事があり得ます。採用された作家が大御所だったりしても、そこにたどり着くのに、プロデューサーの意向を汲みやすい柔軟性だったり人間関係だったり、前回世話になったとかのGive&Takeとか含めて、長く活動しているからこその様々なメリットが「信用(=ブランド)」になります。結果だけを見ると「自分の作品の方がいい」と思えても、経過を辿ると「採用された作品」がベストだったと理解するのが、一番健全かと思います。

05

決め打ちという曖昧な定義!?

決め打ちと言われて仕事したのに、やりきれなかった時は結局別の会社に持っていかれる事もよくあります。個人的にはそれを取りこぼしと言ってますが、評価もされていたのに蓋を開けると別会社になっていた時があったとしても、資本を出す側の責務で最善を尽くすことが最優先されるべきと思ってます。話を変えたメーカーの担当者に対しては、多少の悔しさはありますが「そもそも提案力不足の影響」だとすると、その方を憎むとか信用しないとかは思いません。むしろ、次回も依頼してもらえるかを心配した方がいいです。ただもし、採用された後に先方の都合で帳消しになった場合は、何も聞かずに泣き寝入りではなく、先方の苦渋の経緯を聞いた上で、納得した落とし所になる様に調整した方が良いかと思います。ただ長い取り引きをするのに、雨降って地固まることだってあると思いますし貸しを作てもいいと、頭の片隅には置いて事情を聞くと良いと思います。こちらの選択肢は、多いに越した事がないのですから。

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