夏過ぎくらいから、先方様より似た様な参考曲を何度か指定されたり、自分で参考曲集めをしている時に雰囲気の似ている事が多かったので、「どうしても前回、前々回書いた曲に似てしまう」という事態に陥っていました。
また、スケジュールが立て込んでいるときは、楽曲を煮詰めていったり、新しい要素や研究成果を反映する事もなかなか難しく、結果中途半端な楽曲になってしまったり提出すらままならなくなってしまう事があります。そうなれば先方様はじめ、スケジュール確保して頂いていた作詞家さんや仮歌さんに迷惑をかけることになり信頼を失い・・・の悪循環になってしまいますよね。
そうなってしまわないように、自分の「得意技」やある種の「テンプレート」をいくつか作っておくと大変役立ちます。
Aメロ、Bメロ、サビの展開を自分が良いと思う(または評価の高かった)ものを参考に、自分の「短いメロモチーフネタ」「長いメロモチーフネタ」など、脳内ライブラリの選択肢から組み合わせます。
ただ、それだとテンプレくさい曲になってしまうので、どこかの部分には必ず新鮮な「フック」になる要素は必須です。こればっかりは常に新しい音楽(流行りモノというわけではない)を取り入れている必要がありますね。
ちなみに今回は、制作期間中に、個人的に見に行ったアーティストのライブで、ホールならではのパフォーマンスや構成を参考に、必要な要素をイメージして取り入れました。楽曲を作る際は、当然その曲の良さを考えることは重要ですが、「ライブのどういう場面で演奏されるか」という部分も意識しています。それに関してはまた改めて詳しく書こうと思います。
あと、余談ですがシーケンサーソフトの設定(シンセやエフェクト、セクションのマーカーetc…)もテンプレートで保存しておくともちろん作業の効率化に役立ちます。
作家には短い期間で多くの曲を書かないといけないシーンがあると思いますが、このようにテンプレや得意技を常に磨くことにより、楽曲が薄くならない、手抜きにならない、かつ、自分の色が出せる方法のご紹介でした。