年に一度、グローブ・エンターブレインズ内で開催されているという作家向けセミナー。今年は残念ながらタイミングが合わなかったのですが、勉強のため、特別に作詞分の資料を見せていただきました。ザ・アマチュアな歌詞の解説に始まり、採用を勝ち取るポイントから、作詞に応用出来そうな小ネタ集まで・・・。一目見ただけでも極意が詰まりに詰まっている、とわかる貴重な資料です。
その中でもひと際強く目を引くのが、『ギリギリの臨界点をエグって、作品の強度を追求』の文字。臨界点って何ぞや?と最初は目が点になりましたが、ここで目指すのは『表現方法の臨界点』なのだと解釈しています。ありきたりの描写や言い表しでなく、一歩踏み込んだ独特の表現方法・・・。一見、「どういう状況!?」と困惑してしまうような描写のフレーズも、前後の歌詞との組み合わせによってはとてつもない説得力を持った言葉になったりします。説明をすると野暮ったくなりますが、世に出ている名曲は実はこういったアプローチをしっかり実践しているのです。
単純に「一般的でない、珍しい言葉を使えば良い」という話ではなく、普遍的な言葉でも使い方次第でキラーフレーズに化ける。それをいつ、どこで、どう上手く使うか?日頃からこの感覚を磨いておくことが、職業:作詞家にとって一番重要なスキルになるのかも知れません。