アレンジャーの日常~導入編~ | クリエイターの悶絶生活編集部

アレンジャーの日常~導入編~

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歌手イメージ :
/ 女性シンガー
制作ジャンル :
/ ロック
発売条件 :
/ シングル表題曲
工程 :
/ アレンジについて

今回はアレンジ(編曲)作業の工程を、ある楽曲のケースを参考にざっとご紹介したいと思います。これは私個人のやり方ですので、実際はアレンジャーによって様々だと思ってください。今回はシングルの表裏を同時にアレンジ、作曲も同じ作家、という状況でしたので、二曲の差別化を図るという大きなテーマがありました。そのうちの表楽曲のアレンジ作業を今回は振り返ってみたいと思います。

今回は自らの作曲ではないため、まず社長の方から案件の説明(案件名、作家名、スケジュール)を受けます。
ここでまず、吟味すべきはスケジュールになります。アレンジ作業というのは、最終ミックスの手前の作業となるため、時間のバッファーが残されていないことが多いのです。
ここで、当たり前のように飛び込んでくるワードは「突貫工事」。初めて聞くときはギョッとしますが、もう慌てません。実際半分以上はこの「突貫工事」になります。動きの遅い自分にとっては、これくらいのパワーワードがないと人間らしく動けません。ところが稀に、「大突貫工事」というワードが飛び込んできます。これには注意が必要です。某買い物サイト並みのスピード感が必要になります。「あと3時間以内の発注で明日納品」そんな世界です。
いずれにしましても、他の作業のスケジュールと照らし合わせ、内容、工程からおおよその作業時間を割り出す必要があります。どうしても無理がある場合はこの時点でお断りするか、スケジュールの相談をすることになります。

受注することが決まりますと、各資料が作家さんから送られてきます。デモ2mix、メロの入ったMIDIデータ、仮歌データ、歌詞、各譜面などが送られてきます。これは作家さんによって様々です。データの整理の仕方や譜面の書き方で、作家さんの大体の性格がわかります。(大体というのはウソかもしれません。)今回の楽曲も、主に上記のものが届きました。

まずはデモ2mixを聴きながら、歌い手さんの資料に目を通します。今回はネットで活躍されている方でしたので、SNSやYouTubeなどを隈なく拝見しました。それと同時に、この楽曲が発注された背景、経緯を知るため、過去の発注書にも目を通します。発注書には、参考楽曲なども載っているので、それも一通り聴き、作家さん、そして先方の意図を汲み取ります。

大まかなイメージができましたらいよいよ作業に入ります。それでは次回、「アレンジャーの日常~実作業編~」お楽しみに。

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安岡洋一郎

歌録りのうまさは折り紙付きで、生楽器系からダンス系迄ポップス全般対応可能な経験豊富のベース系作曲・編曲家

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