僕は、作家として15年以上経験があったのですが、今後についてあまり光が見えていない状態でした。2019年9月の末にたくさんHPの閲覧をしていた作家事務所の中から、どこなら自分の能力を100%出せるのかを慎重に考えていました。正直なところキープ曲も数曲ありましたし、作曲・アレンジ共に自分なりの自信は持っていたので、どこに送っても即ダメみたいな事にはならないと思っていたのです。
その中で目に付いたのが、グローブ・エンターブレインズでした。音楽関係の友人の誰に聞いても「聞いたことがない」と言う答えが返ってくる事務所ではありましたが、2つ気になったことがありました。
1つは、コンペに勝つためにメロチェックをすること。
これは、今まで経験がありませんでしたし、コンペに負けても何が足りなかったのか答えがわからず、リリースされた作品を聴いて自分なりに答えを探すしかなかったので、作家としては非常に助かるシステムでした。それについてHPで詳細に説明があり、僕が思っていた不安も払拭していたのです。
2つ目は、HPがあまりにもビジネス的でシンプルだったこと。
その他全ての事務所のHPが、動きがあっておしゃれなものだったのに対し、グローブ・エンターブレインズのHPは非常に文章が多く、平たく言うとアーティスティックではありませんでした。僕は、それをシンプルにビジネスに特化したHPで、アーティスティックなHPでは上記のような事を説明出来ないからこの様にしたのだと思いました。
上記の引っ掛かりがあり、誰からも知らないと言われつつグローブ・エンターブレインズに自分の資料を送りました。その返信が、その日のうちに返ってきて「(僕の送った)1曲ベクトルに近い、いいコンペがあるので参加しませんか?」と言う事でした。これには、本当にびっくりしました。その日のうちに、資料の返事が返ってきたことがなかったからです。
前置きが長くなりましたが、以上の様なプロセスがあり、グローブ・エンターブレインズでコンペに参加させて頂くことにしました。とても熱意を感じたからです。コンペの内容は、少し怪しく、そしてかわいい感じの依頼でした。
実のところ、あまり”怪しい”と言う感じの楽曲は沢山やっていなかったので、自分なりに、事務所に用意して頂いた資料を聴き込み、世界観を作っていきました。
そして、初めてのメロチェックを受けました。「いきなり8合目まで来てます。もう少しです。サビがもっと強いといい」と言う事でした。
そこから、自分でのダメ出しも含めて20回、メロチェックは5回通して提出に漕ぎつける事が出来ました。とても大変ではありましたが、シンプルに意見を聞きながら作るのは、本当にゴールに向かっている様で楽しかったです。
ただ、実際はここからでした・・・
キープとして決勝の2曲に残っていて、僕の楽曲もその中に残っていたのですが、サビの後半部分を練り直して欲しいと言う事だったのです。実は、提出の時点で出し切った感があり、正直しばらく聴きたくない状態だったので、一旦、「・・・(空白)」でした。
でも、ここまで来たら勝ちたいと言う気持ちになり、再度取りかかりました。そこから自分のボツも含めて60パターン以上、メロチェックの最後は、31回になっていました。
・・・正直ボロボロでした(汗)
でも僕の疲労より、そんな回数のチェックに付き合ってくれる大友さんの熱意が最後には嬉しくて、結果は最終的に負けてしまいましたが(悔しくない訳では全然ありませんが・・・)、清々しく終われました。やり切って負けたので、これはもう、今回は僕のターンじゃなかったと胸を張って思えるからです。
また次、その次と、依頼はどんどん頂いているので、必ず早めの勝利をもぎ採りたいと思っています。
大変ではありますが、音楽が好きならたまらない・・・そんな仕事だと思っています。
長文でしたが、最後まで読んでくれた皆様、ありがとうございました!