「ロック」というジャンルを希望される依頼がある。
私は高校からエレキギターを弾き始め、約30年間弾き続けている。エレキギターがロックに直結するわけではないが、ロックというジャンルとは何か?をなんとなくは理解しているつもり。
しかし、「ロック」と依頼されて自ら制作した楽曲は、これはロックなのか?思う事がある。
何故なら、ジャパニーズメロディに支配された楽曲になるからだ。アイドルやアニメ向けに制作する楽曲にはポップなメロディが必要だ。ここでいうポップとは、流れるような綺麗なメロディという事だけに決してとらわれないが、一部のコアなリスナー向けではなく、より多くのリスナーの心を掴むような大衆性が必要となる。かつ、そのアーティストやアニメの世界観から離れた曲であってはならない。
魂を叫ぶだけの楽曲ではなかなかリスナーの心を掴めない。従って、楽曲を制作する上で最重要事項は、アイドルやアニメの世界観に合った良いメロディとなる。そして、良いメロディの曲は、はどんなアレンジをしても良い曲となる。
そうして制作されたメロディにのせるアレンジは、もはやロックである必要はない。しかし依頼が「ロック」なので、それっぽくする必要がある。
さて、どうしようか。
「歪んだギターを入れてみよう!」
うん。なんとなくロックっぽい〜!
アイドルやアニメにおいてロックとは、「歪んだギターがメインで入っている曲」が正解なのかもしれない。