先日、アイドルグループの「自己紹介ソング」の発注で、思いの外制作が楽しかったので、もっと作ってみたいと悶々としていた時の発注だったのと、やはりニッチな内容で採用の可能性も高かろうと思い制作に取り掛かりました。最近は、ベーシックな歌モノのメロ、詞を書くのとはまた違った脳を使うことに気が付いてきました。
通常、(当然工夫が必要だということは大前提として)サビの部分がその曲の最も聴きどころであり、A,Bはサビへの高揚感を高める意図であることが多いと思うのですが、この「紹介ソング」の場合は、A、B、サビという概念より
「Aさんパート」「Bさんパート」「サビ」「Cさんパート」……のように、あくまでも各メンバーの紹介に重きを置くので、楽曲の重要部分は「サビとか間奏以外の各メンバーを魅力的に紹介する部分」になります。サビの役割は逆に「箸休め」とまではいかなくても「一旦まとめますね」とか「楽曲として締まり」をつける部分、という感覚です。
もっと極端に言ってしまうと「Aさんサビ」「Bさんサビ」「サビ」「Cさんサビ」…みたいな感じです。笑
なるべく全員が均等に見せ場を設けられるようにしたいのと、人数が多いとその分曲も長くなってしまうので、しっかり最後まで聴ける仕掛けを作り、かつ、まとまりがあるようにする必要がある、というのが理由です。
このような制作手順は、よりこれからのJポップスが難解になっていってしまう理由になってしまうのかもしれませんが、今からビートルズのようなシンプルな形式に戻るのも(それはそれでいろんな意味で奥が超深いのですが・・・)違うと思うので、曲を作る際は「ベーシック」と思えない要素を必ず1つは盛り込んで、現代より未来に照準を合わせた制作をしていくべきだと思いました。