第01条 度胸と覚悟と少しの勇気
2019年04月4日
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制作感想
作曲
グローブ・エンターブレインズで初コンペ
僕は、作家として15年以上経験があったのですが、今後についてあまり光が見えていない状態でした。2019年9月の末にたくさんHPの閲覧をしていた作家事務所の中から、どこなら自分の能力を100%出せるのかを慎重に考えていました。正直なところキープ曲も数曲ありましたし、作曲・アレンジ共に自分なりの自信は持っていたので、どこに送っても即ダメみたいな事にはならないと思っていたのです。 その中で目に付いたのが、グローブ・エンターブレインズでした。音楽関係の友人の誰に聞いても「聞いたことがない」と言う答えが返ってくる事務所ではありましたが、2つ気になったことがありました。 1つは、コンペに勝つた...
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制作感想
作曲
サビ終わりって難しくないですか?
こんにちわ! 今回のテーマは、タイトル通り「サビ終わりって難しくないですか?」って事です。用途は、ゲームの主題歌で約90秒の曲を作ってください!!というオーダーシートが届きました。 ん?ゲームの場合は、サイズがジャスト90秒ではなく、約90秒なんだ〜。へー。なんて思いました。 曲調は、メッセージ性のあるメロディアスなロックバンド風の曲が欲しいとの事で、アコギが似合いそうな少し切ない曲を制作開始! テンポイメージはリファレンスを参考に、コードイメージはメジャーセブンス系を中心に!メロは一回で覚えれるように、難しい事はなるべくせずにモチーフを力強く! 1回目の提出で、おおよその方...
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ノウハウ
新人作家さんの最初の試練!?
トライアルを始めた作家さんにとって、何と言っても最初のハードルは、いきなり始まる実依頼への対応力ということになります。今までペースもクオリティも自分自身で自由に(楽に?)組み立てていたのが、急にリアルな依頼概要に沿って制作していくというのは、ぬるま湯で生活していた時とは一変して、想定外の激アツ熱湯風呂に入る様な「これがプロの温度か!」と感じるのではないでしょうか?そして徐々に、指定の音域内でメロを作るのがとてつもなく高いハードルに思えてしまい、応募時はキャッチーなメロディ制作に自信があった筈なのに、徐々に迫ってくる〆切に焦っていくのです。 何とか作業を進めて、ようやく1番のメロディが出来...
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制作感想
作詞
初提出での学びと苦悩
トライアル合格の連絡をいただいてから程なくして、初の案件のお話を頂きました。意気揚々と書き上げて送った初稿。そこから提出できるまでの道のりはとても長く感じるものでした。大友さんとのやり取りは最終的に10往復以上に及びましたが、提出まで引っ張り上げていただいたことに本当に感謝しています。 やり取りの中では「ありきたり」「ドラマ性がない」という言葉を幾度となく頂きました。自分ではよく書けたと思っていても、指摘を受けて改めて読み返してみると言われた意味がよくわかる、ということの繰り返しだったように思います。 例えば、詞の中の主人公の主観的な感情を表現しなければならない場面にもかかわらず、冷静な言...
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制作感想
作曲
初採用の想ひ出
まずはじめに、楽曲というものはリリースされた時から作家の手を離れ、パフォーマンスをするアーティストとリスナーで作られる「世界」になると考えています。裏方である作家はあくまで裏方、その影が見えない楽曲、つまり「世界」が理想だと私は思っています。これから裏話を綴っていくわけですが、その「世界」を壊さぬよう、慎重に進めていきたいと思います。 はじめは、私の初採用の時のお話になります。別のお仕事でお付き合いしていた現事務所の社長から、楽曲コンペのお誘いを頂いたのが始まりでした。当時私は、女性ボーカルとユニットを組んでおり、そこで作っていた楽曲ジャンルに近い案件を選び参加することを決めました。「採...
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制作感想
編曲
アレンジャーの日常~導入編~
今回はアレンジ(編曲)作業の工程を、ある楽曲のケースを参考にざっとご紹介したいと思います。これは私個人のやり方ですので、実際はアレンジャーによって様々だと思ってください。今回はシングルの表裏を同時にアレンジ、作曲も同じ作家、という状況でしたので、二曲の差別化を図るという大きなテーマがありました。そのうちの表楽曲のアレンジ作業を今回は振り返ってみたいと思います。 今回は自らの作曲ではないため、まず社長の方から案件の説明(案件名、作家名、スケジュール)を受けます。 ここでまず、吟味すべきはスケジュールになります。アレンジ作業というのは、最終ミックスの手前の作業となるため、時間のバッファーが...
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制作感想
作曲
初コンペ、いきなり地獄絵図
トライアル合格後、1発目のコンペを提出しました。正直しんどかった。もう一度言います。しんどかったぁ・・・(汗)。せっかくなので、どんな感じだったかを残しておこうと思います。 ◆参加コンペを決めるまで 狙い目のコンペがわからず相談してみると、コンペ情報の見方や狙い目コンペ情報を教えてもらえました。その中から、参考曲を聴きながら悩むこと1日。「書けそうと思うジャンルで無難に作るより、無謀なジャンルでチャレンジするほうが逆にいいものができるかもしれない。どうせ今の自分の実力なんて、たかが知れてるし」ということで、今まで書いたことないような、デビュー前の女性実力派シンガーのコンペに参加すること...
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制作感想
作曲
「ありきたり」な曲は求められていない
年末までにもう1曲くらい参加しておこうかな、というところで、得意な「甘酸っぱい青春恋愛系ポップソング」の案件が舞い込んできました。締切が短めで、スケジュール的にもだいぶ厳しかったのですが、かなり自信のあるサビが降ってきてしまい、「これでダメなら他は無理でしょう!」と思い、参加を表明しました。タイアップになっていた漫画も非常に面白く、自分の世界観に合った曲を書けそうな様子で、ほぼ1日でメロチェックまで持っていくことができました。 しかし、事務所の評価は「歌詞も弱く、メロもサビがありきたりでこれでは勝てない。一応ストライクゾーンには入っているので提出するかは任せる。」みたいなもので、正直かな...
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ノウハウ
トライアルの合格基準
今回は、普段応募がある時に重視しているポイントをご紹介します。 まず一つ目は、資料内容。これは、対象アーティストの案内がない楽曲をお送りしてくるケースが多く、試聴した所でその殆どはただの自作デモか自分のバンド、アーティスト活動用の楽曲を送って来ていると邪推してしまいます。作曲家募集の応募作品返答キャンペーンは、あくまで所属作家用の募集に対してのサービスであり、個人活動の作品にコメントすることは想定しておりません。従って、対象アーティスト名も含めて十分に検討して頂きたく思ってます。個人情報に関しても、メール本文で個人情報も名前と電話だけとか概略ではなく、ワードやエクセル、またはテキストでも...
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制作感想
作詞
作曲
同じメロディでも?!
今回は女性アイドルグループのシングル曲でした。 普段は作曲だけなのですが、この案件はサビのメロディと歌詞のハマり具合が鍵になりそうだったので、1番最初にキャッチ部分の歌詞を決めてから、メロディと同時に歌詞も書いてみることにしました。 まず、作曲面で今回学んだことは、「同じメロディでもコードが違えば印象がガラッと変わる」ということでした。 1回目のメロチェックの時、「メロディはサビっぽいはずなんだけどサビっぽさが足りない。原因はコードだと思う。」とアドバイスをいただいたのですが、そう思って聴いてみたら、まさにそんな感じで、、。コードを変えてみたところ、メロディは全く同じなのに、不思議な...
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制作感想
作曲
初採用までのお話
今回、やっと初採用をいただけたので、これまでの経緯について書きたいと思います。 私が初めて作曲をしたのは6歳の頃でしたが、プロの作曲家を志したのはほんの1年半前の20歳の時でした。ずっと趣味で作曲をしていて、漠然と「楽曲提供してみたいな〜」と思ったのがきっかけでした。どのようにしたら作曲家になれるのかも全然知らなかったので、まずネットで「作曲家になるには」で検索してみました。すると、メジャーアーティストの曲はコンペで決めていることが多く、コンペに参加するには作家事務所に所属するのがベターだと書いてあったので、事務所を検索することにしました。 そして、1番最初に見つけたのがグローブ・...
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制作感想
作曲
作曲の大変さを思い知る
今回参加させていただいたコンペは、女性シンガーのカップリング曲でした。これが初めてのコンペ参加になります。まず参加して感じたことは、私自身の圧倒的経験値の足りなさ。依頼書のリファレンス曲(=参考曲)を聴いて、この曲に寄せて作ればいいのだなと思い、まず1曲目を作ったのですがダメでした。そもそもリファレンス曲が良くないと指摘され、依頼書に書いてある内容を真に受けてただ制作するだけでは、まるで意味がないことを学びました。 その後、すぐに次の曲を作ったのですが、これもダメでした。自分の中では自信があったのですが、全然ダメだと言われて落ち込みました。ただ、これは自分の"好きな曲"という形だけで作っ...
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制作感想
インスト
やっぱりプロはプロの環境!?
僕は、昔から先輩ミュージシャンや一部の先生に言われて、信じていた言葉があって 1.「楽器なんか沢山持たずにコレという1本で勝負しろ」 2.「どんな機材でも自分の音を出せ」 3.「実力さえあれば安い機材でも大丈夫」 4.「身の丈にあった物を選べ」 etc… ここ最近、編曲のお仕事も板に着くようになってきて、コンペも提出まで余裕を持って組み立てる事ができるようになってきました。 そこで気付いたのですが、元々信じていた↑の言葉が全部覆って行きました。 1.「楽器なんか沢山持たずにコレという1本で勝負しろ」 コレという1本は必要ですが、僕らみたいな作家は例えば「最近のJ-...
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ノウハウ
満足度を聞くのは・・・
先程、アレンジャーの方に「どの程度の満足度ですか?」と聞いた所、「毎回こんなものを出してきてどの程度出来たものを送ってきたんだよ、と面接されている気持ちでした」と返答がありましたので、その方には真意を補足説明しました。 満足度を聞く理由は、頑張って提出したことに満足してしまうと音楽的な自己評価が曖昧になりやすいから、「どの程度の作業が残っているのかを確認」するのが目的になります。提出した作家が「自分には甘くなる」のは仕方ないですが、満足度の答え方でその方のメンタリティが分かるので、詰めが甘いと感じた時に大抵質問してます。厳しいと感じるかも知れませんが、作家と事務所は運命共同体なので、作家...
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制作感想
作詞
「ダサい」の学び
結局、作詞って「センスでしかない」世界なのでは?などと、勉強すればするほどナイーブな気分になって参りました・・・。 テーマ性、情景描写、心理描写、韻を踏むetc。作詞講座のテキストを読んだり、偉大な作詞家の方のドキュメンタリーを見て学べる部分を探そうとしたり。もがいて、勉強すればするほど、漠然とした「難しい・・・」に帰結してしまいます。頭では理解していても、いざまた書こうとすると、ひどい時には何も浮かんで来ない・・・。あまりにも的確なダメ出しをされすぎて、またNGを出されたらどうしよう、と手が怯んでしまっている状態なのだと思います(笑) しかし、今日ふと、耳に入ってきた曲を聴きなが...
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制作感想
作詞
提出されない悔しさ
初めてのコンペは、トライアル合格の連絡をいただいた翌日。「明日締め切りのコンペがあるけど、筆は早い方?」と言われ、「やらせてください!」と返事をしました。情報収集をしてその日のうちにフルサイズで提出。そこで、初めて歌詞のチェックをしていただきました。 実は私、今まで歌詞チェックというものを受けたことがありませんでした。約1年半別の事務所でコンペに参加してきましたが、ただ提出するだけ。自分の歌詞がどのくらいのレベルなのか、さっぱりわからない状態でした。でも長く続けたこともあってか、そこそこの自信はあったんです。 でも結果はというと・・・ボロボロでした。「意味が分からない」「薄っぺらい」「...
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制作感想
作曲
間奏の重要性
今回は、比較的私の得意ジャンルで募集していた案件で、すぐに参加表明をさせていただきました。 募集ジャンルは、デジロック系。 私自身ギターでお仕事をしている関係もあって、その手のジャンルには長けていると思っておりました。 バンドサウンドは問題なく、肝心のデジタルチックな感じも私なりに様々なアプローチを繰り広げたつもりでした。 今回に関しては私の都合が全く合わない関係もあって、メロチェックが受けられなかったため、楽曲の完成度を高めた上で提出させていただきました。 メロディに関しても、力強さとキャッチーさをバランスを取り、これでいける!と思っていたのですが・・・。 提出後になるの...
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制作感想
インスト
短期決戦は楽しく!そしてシンセを買うことについて
一年のうち何回か極端に締め切りまでが短い案件があるんですが、今年もそれがやってきました! そういう案件の場合、超短期決戦なので肉体的には辛いものがあります。しかし、その分自分次第でその案件が成立するかしないのかが決まるので、使命感がいつも以上に高まり、やる気スイッチがかなり深く入るので精神的には結構楽しくやれています。 私は、普段から直近で使う計画が無くても「便利そうだな」と思ったソフトシンセはどんどん購入しています。 購入の際には、すぐに制作で使える「Ready to goな音源かどうか」が「音が良いかどうか」と同じくらい非常に大きな判断基準になっていますが、それはこういう短期決戦...
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制作感想
作曲
「歌詞」なのか「文章」なのか?
学生の時、同級生に詩を書く友達がいました。色々賞を取ったり雑誌にも載っていたのですが、セコい僕は彼に「歌詞かいてよ」と頼みました。所謂「詞先」ってやつです。 いざ上がってきた作品を見た僕は絶句してしまいました。 「・・・曲にならねwww」 つまり、普通に文章の作品というかポエムというか小説みたいなものが上がってきたわけです。詩も歌詞も同じ文字を扱う作品だとしても、俳句に五七五のルールがある様に、歌詞にもJpopならJpop、ラップならラップである程度形式的なルールがあるのです。ただ、そこまではっきりした縛りがないのも事実なのですが、どうしても音楽は4拍子なら1小節4拍、進行はある程度...
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制作感想
編曲
アレンジャーの日常〜実作業編01〜
さあ、いよいよアレンジの実作業に入ります。 アレンジをする際の心得として、気をつけているポイントが二つあります。 01.作者の表現しようとしている世界をいかに膨らませるか。 02.自分の色(アレンジャーとしての個性)をいかにして組み込むか。 1に関しましては、映画の演出のように、作者の表現しようとしている10を100や1000に、音色や展開でどれだけ膨らませるか、という勝負になります。 そして、意外と大事なのは2。せっかく他のアレンジャーではなく、自分に任せて頂いたのですから、自分にしかできない何かを残すことはとても大事なことだと思っています。これらを心に留めておきつつ、いよ...
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制作感想
作曲
継続のモチベーション
今回は、10年以上第一線で活躍する有名女性アーティストの参加したコンペについて、お話させて頂こうと思うのですが、その前に、楽曲コンペについて少し触れたいと思います。 ご存知の方も多いかもしれませんが、楽曲コンペと言うのは平たく言えば楽曲のオーディションのようなものです。今のコンペの殆どのケースで、作曲者は作曲そのものだけでなく、提出には曲の完成図がイメージ出来そうなデモ音源を作る必要がある為ある程度のアレンジからミックスまで行い、また、仮歌の方に謝礼を払って歌入れを依頼します。このようにコンペに参加する作曲者には、ある程度の労力と負担が必要とされます。しかしながら、そのコンペで採用されな...
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制作感想
作詞
スタートラインに立ってみて
オーディションへの応募の際私は、会社員を辞めてから半年強が経っておりました。体調を崩していましたが、回復するにつれて就職しなければという焦燥感と、自分の大好きなもので生きていきたいという場合によっては背反する思いを常に持っておりました。 元々、日本語が好きで小説などを読んでいる時・映像作品を見ている時・歌を聴いている時、ふいに胸に刺さる言葉が多々ありました。極論を言えば無機質な文字列にしか過ぎない台詞や歌詞。それが大きな支えとなることを、ここ数年は改めて感じることが多かったです。 こんな私ですから、言葉という人によって受け止め方が異なるツールを使って、大変難しいであろうということは承知...
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制作感想
作曲
「熟成曲」
音楽の流行りは目まぐるしく進化しています。最近気付いたのは「大サビ」(2番間奏あとのラスサビ前のメロ、ブリッジとかCメロとかDメロとか色々呼び方があります)が無い曲です。 過去を遡れば初期のビートルズくらいまでいくとA,B形式、少し前の一般的なポップスはA,B,サビ、もう少し最近になると2番の後に大サビがあって、現代の曲になると2番のAメロやBメロが全く違うアプローチになったり、ドロップ(オケサビ)なんかも出てきました。基本的には時代を追う毎にセクションがどんどん増えていっているので、複雑になっている一方な感じです。 ただ、最近チェックしていたKpopの表題曲が「・・・ん、ちょっと短い...
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ノウハウ
メロの説得力とは!?
案件ごとによく作家さんにメロ修正を相談する事がありますが、大抵「無難すぎる」のが理由として多い気がします。メロが軽く感じるのと、説得力あるメロの違いって、どこから来るのでしょうか? これは、以前ある作家さんとのやりとりなんですが、その作品はサビが非常にキャッチーなのに、Bメロが音を置きに行っている気がしたので修正をお願いした所、いつもなら筆の早い作家さんが2日音沙汰なしに。そこで様子伺いしてみたら、その作家さんは言い放ちました。「Bメロなんていくらでも出てくるんですよ。ただ、いくらでも出てくるメロディに正解はない気がして。もうバージョンも20超えているんですが(泣)」 現状のVer...
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制作感想
作曲
メロディの「コレだ!感」とは!?
こんにちわトライアル作家です。 日々の生活の中、今月もう2週間も経ってるの!?え、早!・・・やばい!今月まだ1つもコンペに参加してないんですが、、、そんな事って作曲コンペをやっているとありますよね。た、多分。笑 「まずい、、、そろそろコンペに参加せねば事務所の方にやる気の無い奴だと思われる!いかん、いかん!」なんて思いながら、コンペ情報を再度じっくり眺め、1つのアイドルソングに参加を決めました。 制作はいつも通りコンペシートをよく読み、曲の構想を考えます。リファレンスの感じからリズムとベースの雰囲気を寄せつつ、コードワークとメロディを再構築! なんて事を考えて最初のdemoはすぐに...
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ノウハウ
身の程って何!?
新人が参加する案件を検討するのに、知名度バツグンの売れているアイドルに参加したがるのも気持ちは分かるのですが・・・。 当然売れているアーティストは、日本の英知が結集しているのと、最近は外人の優秀なクリエイターも多くライバルは国内に留まりません。つまり、軽装に見えるビギナーが最高峰と言われる山々に登っても下山させられるのが関の山で、頂上に登れる確率は殆ど皆無と言うのが一般的な判断になってしまいます。その為、新人が効率よく実績を積み重ねて勝ち慣れていくのには、自分の実力と案件の適性を見極められるといいのですが・・・、どうしても良く知っているアーティストや好きな作品のタイアップだと冷静に判断しにく...
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制作感想
インスト
楽器で弾くメロは「味」が大事
歌モノの楽曲を、インストBGM(今回はギター)に編曲した時のお話です。 元々インスト演奏を前提とした楽曲の場合、旋律自体が楽器向けに作られているので、しっかり楽曲や譜面を再現することが大事なのですが、今回のように元々歌用のメロディを楽器で再現する場合、苦労する部分がこの「味」付けの部分です。 歌メロは基本的に、歌に合った歌いやすいようなメロ割になっているので、それを楽器で淡々と弾くと、どうもスーパーの特売所のJ-popのインストBGM(それはそれで好きですが)のようなサウンドになりがちです。 なぜそうなるか考えた事があったのですが、そもそも「声」というのはどんな楽器よりも、最も「味」...
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制作感想
作曲
提出への執念
昔から定番であり、そして意外と需要のある4クールの番組主題歌が、コンペなどで少なくとも年に1回は書く機会がありました。 アニメ主題歌でもそうですが、映像を兼ねた秒数制限の中で、できる限りの事をしないといけないので、1展開、1フレーズ、1音、1言全てにおいて非常に濃い内容にせねばなりません。 普段から、楽曲を書く際はこの点にとても拘っているのですが、アーティストや案件によって雰囲気やサウンドに重心を寄せたほうが良い場合もあるので、場面により調整する場合もあります。今回のような「いかにも」な世界観の場合だと、作家としても実力の見せ所というか、躊躇なしに濃厚味に振り切る事ができるので、個人的...
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制作感想
作曲
メロディの古さ、新しさって?
今回は、シングル表題曲の依頼を制作させていただきました。締め切りが長めだったため、当初はじっくりメロディを選定しようと考えていたのですが、そこで問題になったのは「王道」というワードでした。 発注書には、プロデューサーの方や担当の方がイメージするワードが多々記載されているのですが、この「王道」というワードは多岐にわたり想像されるワードでもあります。例えば、「国民的アイドルのような王道」といっても、AKB48などのような割と新しめの路線。90~00だとモーニング娘なども王道と捉えられると思います。従ってまずは、担当の方が思い描く「王道」を私なりに理解しようと努力しました。 そこで問題に...
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制作感想
作曲
音域に捉われすぎるな!
本当の歌の事は歌い手にしかわかりません。僕ら作曲家の「わかっている」は「わかっているつもり」なのかもしれません。歌い手の「プロ」に話を聞く事はとても大事だと思っています。 楽曲の発注書には、その歌手の「可能音域」を記載していただいていますが、果たしてそれはどこまで信用すべきか?守るべきか?という事です。 もしかしたら、本当に「その歌手の可能な限りの音域」を書いていて「ベストに歌える音域」を書いていなかったり、「ベストに歌える音域」を書いていて「その歌手の可能な限りの音域」を書いていない場合もあるかもしれません。 曲を書いている時によくあるのが、サビを作っているときに、後半の盛り上...
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