同じコンセプトで書く難しさ | クリエイターの悶絶生活編集部

同じコンセプトで書く難しさ

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公開日 :
2020.04.13.
歌手イメージ :
/ 女性アニソンシンガー
制作ジャンル :
/ アニソン
発売条件 :
/ アルバム曲
工程 :
/ 作詞について

たまにある発注として、「テーマだけを少し変えて、過去にリリースした楽曲と同じコンセプトで書いてほしい」というものがある。要するに、全体的な世界観や楽曲のイメージは前回の作品を踏襲しつつ、モチーフやテーマだけを変えて同じテンションやノリで書いてくれ、ということだ。その過去楽曲が他の作家さんの作品であれば、普通に書いていても必然的に自分なりのカラーに変わるのでそれほど苦労しないのだが、そのリファレンスになっている楽曲が過去の自分の作品である場合、色々と考えるべきことが増えるので少し難しくなる。今回の発注がそれである。

まず考えることは、「同じようなイメージ」というのを、「どこまで同じようなものにするべきか」ということ。新しい作品としてリリースする以上、全く同じようなものにはするべきではない。「同じような」と書かれていたとしても、全く同じものは求められていない、ということは認識しておくべきである。ただ、クライアントがそういうものを求めている以上、その要求には限りなく寄り添ったものにする必要もある。今回のようにその過去曲が自分の作品である場合、同じ作家が書く以上、色々と細かい工夫を凝らさなければ、どうしても全体のイメージや雰囲気が似たようなものになってしまいがちである。作詞家という特性上、「次のシングルのコンセプトが変わった」等の理由で、歌詞の方向性を180度変えてくれ、というリテイクは日常茶飯事なので、ガラッと方向を変えたりというのは比較的慣れっこなのだが、この「同じようで少し違う」感じというのが何度やっても難しい。

僕がいつも心がけていることの一つに、「100点を出さない」というものがある。どういうことかと言うと、発注者の「こういう発注をするとこういうものが上がってくるであろう」という予測を、良い意味で1点でも裏切りたいということである。今回の内容で言えば、どこで同じ雰囲気を出して、どこでそれを裏切るか。例えば、物語の構成を全く同じ展開感で進めて、内容を思い切って変えるか。1番で前回と同じような雰囲気を作っておいて、2番で全く違うことをやってみるか、など。今回はそういう視点で色々と似せながら崩しながら悩みまくったのだが、無事採用されたのでホッとした。
他の案件でも同じような内容で書かなければいけないということが作詞家はとても多いので(夢・未来など)、その対応力をもっと常に磨いておかなければと思う。

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Soflan Daichi

さりげなく良いフレーズで歌い手心をくすぐり、言葉遊びやパーティー感も対応可能な質実剛健の作詞家

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