グローブ・エンターブレインズで初コンペ
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ノウハウ
満足度を聞くのは・・・
先程、アレンジャーの方に「どの程度の満足度ですか?」と聞いた所、「毎回こんなものを出してきてどの程度出来たものを送ってきたんだよ、と面接されている気持ちでした」と返答がありましたので、その方には真意を補足説明しました。 満足度を聞く理由は、頑張って提出したことに満足してしまうと音楽的な自己評価が曖昧になりやすいから、「どの程度の作業が残っているのかを確認」するのが目的になります。提出した作家が「自分には甘くなる」のは仕方ないですが、満足度の答え方でその方のメンタリティが分かるので、詰めが甘いと感じた時に大抵質問してます。厳しいと感じるかも知れませんが、作家と事務所は運命共同体なので、作家...
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制作感想
作詞
スタートラインに立ってみて
オーディションへの応募の際私は、会社員を辞めてから半年強が経っておりました。体調を崩していましたが、回復するにつれて就職しなければという焦燥感と、自分の大好きなもので生きていきたいという場合によっては背反する思いを常に持っておりました。 元々、日本語が好きで小説などを読んでいる時・映像作品を見ている時・歌を聴いている時、ふいに胸に刺さる言葉が多々ありました。極論を言えば無機質な文字列にしか過ぎない台詞や歌詞。それが大きな支えとなることを、ここ数年は改めて感じることが多かったです。 こんな私ですから、言葉という人によって受け止め方が異なるツールを使って、大変難しいであろうということは承知...
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制作感想
作曲
困った時は悩まずお金で解決!?
例えば、普段使わない楽器を入れるような制作のオーダーがあった際、元々DAWに入っているシンセで一旦間に合わせますが、その楽器がメインで鳴るような楽曲だと、どうしても噓っぽくなってしまうというか、楽曲自体の質が低下してしまいがちです。 こういう時、その楽器に対してEQやベロシティをいじったり、コンプを見直したり・・・、気づけばそれを永久ループしていて何も解決していない事ってよくあると思います。そういう時にオススメなのは「つべこべ言わずにお金を使え」です。笑 というかそうしないと解決しません。薄情な世の中ですよね。以前、事務所の先輩に「どうしたらもっと良い曲やアレンジができるようになります...
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制作感想
作詞
モチベーションを殺さずに
作詞の世界に飛び込んで早一か月。 多い時には一曲に10近い詞を書いたりもしましたが・・・すべて没となり、日の目を見ることはありませんでした。 飛び込む前にあった、何の根拠も無い自信も、なんとかなるだろうという楽観的な気持ちも、さすがに一か月返却され続ければ死に体です(笑)。コンペに提出する以前の没ですから、作品を作り上げたという自己満足の達成感すら無く、心が折れそうになった瞬間も多々ありました。 そんな中、大友さんからの助言で、改めて自分が好きだと思う作詞家やアーティストの楽曲をじっくり聴いてみています。作詞の参考にしたいと思った最近の楽曲から、小学生の頃に大好きで聴いていた懐かしい...
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制作感想
作詞
「ダサい」の学び
結局、作詞って「センスでしかない」世界なのでは?などと、勉強すればするほどナイーブな気分になって参りました・・・。 テーマ性、情景描写、心理描写、韻を踏むetc。作詞講座のテキストを読んだり、偉大な作詞家の方のドキュメンタリーを見て学べる部分を探そうとしたり。もがいて、勉強すればするほど、漠然とした「難しい・・・」に帰結してしまいます。頭では理解していても、いざまた書こうとすると、ひどい時には何も浮かんで来ない・・・。あまりにも的確なダメ出しをされすぎて、またNGを出されたらどうしよう、と手が怯んでしまっている状態なのだと思います(笑) しかし、今日ふと、耳に入ってきた曲を聴きなが...
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制作感想
作詞
臨界点をエグる、とは?
年に一度、グローブ・エンターブレインズ内で開催されているという作家向けセミナー。今年は残念ながらタイミングが合わなかったのですが、勉強のため、特別に作詞分の資料を見せていただきました。ザ・アマチュアな歌詞の解説に始まり、採用を勝ち取るポイントから、作詞に応用出来そうな小ネタ集まで・・・。一目見ただけでも極意が詰まりに詰まっている、とわかる貴重な資料です。 その中でもひと際強く目を引くのが、『ギリギリの臨界点をエグって、作品の強度を追求』の文字。臨界点って何ぞや?と最初は目が点になりましたが、ここで目指すのは『表現方法の臨界点』なのだと解釈しています。ありきたりの描写や言い表しでなく、一...
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ノウハウ
コロナ後の世界「作家として生き抜く3つの方法」
前回のコラム「これから起こりうる10の事象」で、現在音楽制作会社に起きていること、または起こりうることをご案内しましたが、今回はそんな厳しい状況の中でクリエイターの生き残り術編になります。 ①提出率の底上げ ・作りにくい案件、短納期ほど、率先して参加すべきです。そういう案件ほど、採用されやすいだけじゃなく採用時は担当者との距離感が一気に縮まりやすい為、作家ブランドが急上昇のチャンスと言えます。特に短納期の案件ほど、集まった楽曲の中から直しながらでも成立させないといけない時もあり、提出しておくと思いも寄らない採用機会となります。 ・依頼が来ているのに慎重に選択し過ぎてしまうのは、逆に言...
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ノウハウ
コロナ後の世界「これから起こりうる10の事象」
2020年は、コロナにより一変してしまいすっかり特殊な年となってしまいました。それも有効な薬が開発されるまでの辛抱かとは思いますが、既に起きていることで作家に与える影響など、イチ音楽制作事務所の所感として記述しておきます。 ①依頼数の減少 昨年までは、毎年5%程度のシングルアイテム数の減少が、今年と来年で更に1〜2割程度の発売激減を想定。CD発売の減少は、カップリング制作の機会(=1枚に付き4〜5曲)も一緒に消失するので、今年の案件数減少は想定よりも下振れに推移するのも覚悟しておく必要がありそうです。シングルは、ドラマやアニメが軒並み延期により発売再検討の影響があり、ライブの中止や延期...
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制作感想
トライアル合格時の景色
◆はじまりは「ポチッ」 ずっと気になっていた、応募者全員に曲のアドバイスを返信してくれるキャンペーン。チキンな私は、ボロクソに言われるのが怖くて、なかなか応募できずにいました。最近ようやく、歌い手を意識した曲作りができてきたという実感が出てきて、今後の方向性について悩み出していたので、思い切ってキャンペーンにポチッと応募。 「あー、ついに送っちゃった…」 「忙しいだろうから、返信は遅いかもな」 「きっとダメ出しオンパレードだろうから、落ち込まずにちゃんと作品を見直していかないと…」 応募の時点で、すでに悶絶&ネガティブ(笑)。でも、実際は悶絶するほどの時間はありませんでした。 ...
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特別寄稿
コロナ渦中での経済と生活事情
音楽家として生活していると、普段から「もしかしたら世間一般的な生活からズレているかもしれない」という感覚は常に思っていましたが、このコロナウィルスの世界的な影響は当然ながら、ズレずに否応なしに受けることになりました。しかし私の場合正直なところデメリットばかりではありません。個人的な、いち音楽家の経済事情と生活の例として読んでいただければ幸いです。 まず、私は作曲家としてはいま3年目(デビューから)で、やっとこさ継続した依頼や案件をこなせるようになってきたレベルなので、収入としては「印税生活!」みたいなイメージのものからは程遠いのですが、生業としては段々成り立ってきているような印象です。 ...
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制作感想
インスト
初トライアルで得た「聴き方」
今回、グローブエンターブレインズのトライアルで初挑戦させて頂きました。楽曲は、若い子たちのライブ最初を飾るOverture。それにふさわしい、若さと希望にあふれた曲にできればとポジティブな取っ掛かりから制作を始めましたが、いざ書き進めてみると、締切にひやひやしつつの防戦一方。自分ではそこそこ自信があった筈のオーケストラ系ですが、同時に、自分が今後まだまだ学ばなきゃいけない課題も明確に実感したトライアルとなりました。 一番強く感じたのが、「エンジニアリング的な視点の重要性」です。無論、楽曲のメロやコード構成が、採用に当たり重要な位置を占めているのは言うまでもありませんが、特にインスト作家と...
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制作感想
インスト
濃い音楽・薄い音楽
劇伴を制作してる時によく陥ってしまうのが、短い時間の中にアイデアや曲想を詰め込みすぎてしまい、肝心の映像に勝ってしまうという現象です。自分は音を足し算していくタイプの作家であることと、普段の発注で豪華絢爛なライブBGMを作ることが多いので職業病的に少ない時間に色んな音楽要素を入れてしまうのですが、これが音楽が映像に勝ってしまう原因になるんですよね。 今回はドキュメンタリー系BGMのデモを作っていたのですが、どれだけオーケストレーションを薄くしても映像に勝ってしまい「どうしてだろう?」といろいろ考えていたのですが、いくつか参考曲を研究して原因がわかりました。(あくまで今回の場合ですが・・・...
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制作感想
インスト
サウンドロゴ的発想
コンペや制作の発注書やメールを見ていて「あぁ〜、これ、やりたいなぁ〜。」「俺だったらこんな感じで作るかな〜」なんて想像しているうちに締め切りが過ぎていた。・・・なんて事はよくあるのですが(笑) まさに今回そのパターンで、「うっわぁ〜〜、俺ならこんな音色でこんなリフでイメージしてたのになぁ。絶対俺が出してたら通ってたわ。うん。そう、きっと。」などと、ある事ない事チャレンジもせず妄想していたわけですが、時すでに遅し。切り替えてまた違う案件チャレンジしよう〜!なんて思ってたのですが、まさかの再発注の案内が来ました。「絶対俺が出してたら通ってたわ」っていうのは若干撤回したい気持ちを抑えつつ、イメ...
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制作感想
インスト
生録音の化学反応
昨年やらせていただいた長期間に渡るゲームのプロジェクトですが、様々な学びや気付きがありました。 そんな中、制作の中で最も記憶に残ったのは何か?と考えると、やはり大型の弦楽器と管楽器を生で録音させてもらえたことです。 それまでは、バイオリンやギターなどの単独楽器を生演奏に差し替えることはあったのですが、もっと大きな編成でまるっと生演奏を取るのは自分にとっては初めての経験だったので、レコーディングの日まで「果たしてうまくいくだろうか?」「どんな音で録れるだろうか?」とワクワクとドキドキが入り交じる心理状態で過ごしていました。 さて、レコーディング日が決まると、生録音に向けての準備をしなけ...
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ノウハウ
トライアルの合格基準
今回は、普段応募がある時に重視しているポイントをご紹介します。 まず一つ目は、資料内容。これは、対象アーティストの案内がない楽曲をお送りしてくるケースが多く、試聴した所でその殆どはただの自作デモか自分のバンド、アーティスト活動用の楽曲を送って来ていると邪推してしまいます。作曲家募集の応募作品返答キャンペーンは、あくまで所属作家用の募集に対してのサービスであり、個人活動の作品にコメントすることは想定しておりません。従って、対象アーティスト名も含めて十分に検討して頂きたく思ってます。個人情報に関しても、メール本文で個人情報も名前と電話だけとか概略ではなく、ワードやエクセル、またはテキストでも...
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制作感想
作詞
作曲
インスト
社内セミナーの中身は・・・福袋!?
こんにちわ。 僕は地方に住みながら作曲活動をしていますので、グローブさんが年に数回行う作曲、作詞のセミナーにはなかなか参加することができず、残念に思っておりました。そこで大友さんに、「改めて作曲の勉強をしたいのでセミナーの資料などを頂く事はできますか?」と問い合わせを出してみると、数日後にグローブの歴史の詰まった貴重な資料を受け取る事ができ、自宅での自習が可能に!!今回はこちらの資料を読ませて頂き、感じた事などを書かせて頂きたいと思います。 こちらの資料まず、文書だけでなく解説用に編集された音源が付いて来た事に驚き、実際に紹介されているメロディの特徴、作曲例も聴きながら学べるのでとても...
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制作感想
インスト
制作中に考えていたこと
2019年12月、累計で1年5ヶ月ほど時間をかけたゲームのプロジェクトが完パケしました。 曲数で言うと、短いものから長いものも含めて50曲以上制作させて頂いたので、納品したwavのファイル数で言うとデモや没トラックも含めて100を超えるかもしれません。自分にとっても、このような大規模なプロジェクトに参加したのは初めてのことでしたが、制作にあたって感じたことや思い出を何回かに分けて書いていこうと思います。今回は第1回ということで、ピンポイントな内容でなく、基本的な流れとどんなことを考えて作業していたかをざっくりと書きたいと思います。 さて、今回のプロジェクトは大変ありがたいことに、非常に...
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ノウハウ
身の程って何!?
新人が参加する案件を検討するのに、知名度バツグンの売れているアイドルに参加したがるのも気持ちは分かるのですが・・・。 当然売れているアーティストは、日本の英知が結集しているのと、最近は外人の優秀なクリエイターも多くライバルは国内に留まりません。つまり、軽装に見えるビギナーが最高峰と言われる山々に登っても下山させられるのが関の山で、頂上に登れる確率は殆ど皆無と言うのが一般的な判断になってしまいます。その為、新人が効率よく実績を積み重ねて勝ち慣れていくのには、自分の実力と案件の適性を見極められるといいのですが・・・、どうしても良く知っているアーティストや好きな作品のタイアップだと冷静に判断しにく...
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ノウハウ
メロの説得力とは!?
案件ごとによく作家さんにメロ修正を相談する事がありますが、大抵「無難すぎる」のが理由として多い気がします。メロが軽く感じるのと、説得力あるメロの違いって、どこから来るのでしょうか? これは、以前ある作家さんとのやりとりなんですが、その作品はサビが非常にキャッチーなのに、Bメロが音を置きに行っている気がしたので修正をお願いした所、いつもなら筆の早い作家さんが2日音沙汰なしに。そこで様子伺いしてみたら、その作家さんは言い放ちました。「Bメロなんていくらでも出てくるんですよ。ただ、いくらでも出てくるメロディに正解はない気がして。もうバージョンも20超えているんですが(泣)」 現状のVer...
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制作感想
インスト
短期決戦は楽しく!そしてシンセを買うことについて
一年のうち何回か極端に締め切りまでが短い案件があるんですが、今年もそれがやってきました! そういう案件の場合、超短期決戦なので肉体的には辛いものがあります。しかし、その分自分次第でその案件が成立するかしないのかが決まるので、使命感がいつも以上に高まり、やる気スイッチがかなり深く入るので精神的には結構楽しくやれています。 私は、普段から直近で使う計画が無くても「便利そうだな」と思ったソフトシンセはどんどん購入しています。 購入の際には、すぐに制作で使える「Ready to goな音源かどうか」が「音が良いかどうか」と同じくらい非常に大きな判断基準になっていますが、それはこういう短期決戦...
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ノウハウ
参加してこない作家さんの心理とは?
どこの事務所でもあまり参加しない作家さんがいると思いますが、不参加を気にしているならまだしも、それにも慣れてきてしまうと結局参加することが億劫になって、少しずつ居心地も悪くなってしまうかと思います。そして、事務所からは案件や様子伺いが届くのなら、時々の報告が義務として必要なのは分かっていると思うので、コミュニケーション不足は関係悪化の一途をたどっていきます。 そのうち自分に合う案件があれば参加しようと、気軽に考えている場合はそもそも不参加体質とも言えます。もし気になる案件が発生しても「今週は忙しい」とか、モチベーションが低い時の理由はいくらでも思いつきます。そして、連絡が疎かになるという...
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制作感想
作曲
トライアル開始前の心境
まだ尻の青い私のトライアル作曲家としての活動が、これから始まろうとしています。 今まで主に、過去のバンド活動を通してのみの作曲経験しかない私にとって、事務所に通しての作曲活動は未知の領域です。どうなっていくんだろうという好奇心と期待の気持ちの裏には、正直、恐怖と不安しかありません。作曲の専門的な知識も乏しく、さらには作曲家としての経験値がほぼゼロな私は、果たして先輩方の皆さんに食らいついていけるのか不安です。 色々と知らないなりにも精一杯やりたいと思っていますが、最初は怒られるのも覚悟でやるしかないのかな、とも思っています。それも加味した上で、これからの活動は心底怖いですし、とても不安です...
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ノウハウ
新人作家さんの最初の試練!?
トライアルを始めた作家さんにとって、何と言っても最初のハードルは、いきなり始まる実依頼への対応力ということになります。今までペースもクオリティも自分自身で自由に(楽に?)組み立てていたのが、急にリアルな依頼概要に沿って制作していくというのは、ぬるま湯で生活していた時とは一変して、想定外の激アツ熱湯風呂に入る様な「これがプロの温度か!」と感じるのではないでしょうか?そして徐々に、指定の音域内でメロを作るのがとてつもなく高いハードルに思えてしまい、応募時はキャッチーなメロディ制作に自信があった筈なのに、徐々に迫ってくる〆切に焦っていくのです。 何とか作業を進めて、ようやく1番のメロディが出来...
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制作感想
インスト
ドレミだけで楽曲を作る必要無し!
劇伴作家としてBGMの発注を受ける時、大体は発注書の文章をもとにイチから音楽を作っていくのだが、今回は最初に映像があってそこに音楽を付けていく発注内容だった。 映像先で音楽を付けていく場合、個人的にやりやすい場合とやりにくい場合がある(あくまで作曲がやりやすい、やりにくいであり、良い映像、悪い映像という意味ではありません)。前者は「映像の内容がはっきりしており、そのシーンを説明する音楽」が求められる場合だ。これは映像そのものがピアノスケッチと言ってもいいくらい、最初から設計図が出来ているのでとても簡単。後者は「映像が抽象的で、世界観や雰囲気の補助としての音楽」が求められる場合だ。これは作曲の...
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